【就活:企業の選び方③】外資系への就活はココをチェック~外資系と日本企業はどこが違う?~
こんにちは。
就活における企業の探し方はいろいろあります。では企業・会社選びではどんな点をチェックすることが大切でしょうか?
今回は「外資系企業」に新卒で就職したいと考えている人が知っておくべき、外資系の実態や特徴をご紹介します。
【目次】
- 「新卒で外資系企業に就職」は推奨できない?
- 【外資系の実態①】社員教育という概念がない
- 【外資系の実態②】完全な実力主義
- 【外資系の実態③】終身雇用という概念がない
- 【外資系の実態④】日本市場から撤退することもある
「新卒で外資系企業に就職」は推奨できない?
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外資系企業へ新卒で就職を目指す友人がいます。確かに収入も高いようだし、自分も検討してみようと考えているのですが……。
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外資系企業と言っても、会社によって待遇や福利厚生などは変わってきますが、確かに「高収入」「働きやすい」という傾向は強いかもしれません。
▼外資系企業のよくあるイメージ
外資系に就職できれば、高収入が期待できる!
ワーク・ライフ・バランスが日本の企業よりも進んでいるので、働きやすそう!
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しかし新卒で外資系企業に就職したものの「日本の企業に入っておけばよかった」と後悔する人の声があることも事実です。
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うーん、新卒で入社する場合、外資系企業と日本企業では違いがあるということですか?
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その通りです。
「新卒で外資系企業に就職することが推奨できない理由」は、これから紹介する外資系の実態や特徴を理解すれば明らかでしょう。
【外資系の実態①】社員教育という概念がない
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まず前提として「外資系企業は即戦力採用が基本」です。
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え? でも新卒はまだビジネスの右も左もわからないので即戦力といわれても……。
「新人教育」はありますよね? -
いいえ、ありません。
なぜなら本社側に「新人教育の体系」が整っていないため、日本支社でそれをおこなうことは不可能だからです。
日本特有の制度である「新卒一括採用」を導入している外資系企業もあります。しかし「新人教育」は行われないのです。
つまり
- 業務に必要な知識やスキルは自分で学校へ行くなりして勉強せよ、というスタンス
- 大学でもビジネスに直結するスキルを学ぶことが一般的
なのです。
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「新人教育」なしで、ビジネススキルや知識を自分で身につけるのは難しそうです……。
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外資系で働くということはすなわち「ビジネスの基本が身についているのが前提であり、新卒者には著しく向いていない」ということになるのです。
【外資系の実態②】完全な実力主義
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実力主義とは「成果を挙げた人の方が、収入が大きくなる」ということですが、それほど単純なものではありません。
ここで有名な「働きアリの法則」という研究発表をご紹介しましょう。
▼10匹のアリの場合
【A】とくに優秀なアリが2匹
【B】可もなく不可もなく働くアリが6匹
【C】まったく成果を出さないアリが2匹
▼ビジネスパーソンに当てはめた場合
【A】とくに優秀な成績を収める社員は2割
【B】可もなく不可もない社員は6割
【C】まったく成果を出せない社員は2割
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日本の会社ではたとえ【C】のように成果が出なくても、年功序列の人事が一般的です。
そのため毎年基本給は上がりますし、学歴に応じて出世もできるでしょう。
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外資系企業では違うのですか?
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はい、まったく違います。
外資系企業の場合は日本企業と違って「【C】のまったく成果を出さない社員」は、容赦なく切り捨てられるのです。
具体的な例を紹介しましょう。
某外資系コンサルティング会社の現役マネージャー
会社は成果を出せない20%の社員には何もしません。新商品に関する資料やセールストークの研修なども行いませんし、本社での重要なミーティングにも参加させません。自力で「成果を出せない」レベルから、「可もなく不可もなく」というレベルまで這い上がってこなければそれまでです。もちろん給料も上がりません。
しかし日本では簡単に解雇できないので、自分から辞めてもらうのを待ちます。
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何の実力もスキルもない日本の新卒者が「【B】の可もなく不可もなく」というレベルまで、自力で到達するにはどれほどの時間が必要だと思いますか?
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たどり着くことすら難しいと思います……。
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そうですね。新卒で外資系企業に入社したら「入ってからが地獄」が現実だ、と知っておきましょう。
【外資系の実態③】終身雇用という概念がない
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海外の企業では、「転職することが前提」です。そのため「終身雇用」という考え方がありません。
▼「雇用」に関する違い
日本企業の場合 |
外資系企業の場合 |
「終身雇用」が一般的 |
そもそも「終身雇用」がない |
主なポストは自社の社員から昇進させる |
主なポストは外部から招聘する |
定期的な昇給がある |
転職しなければ、ずっと同じポジション、同じ給料のまま働く |
外資系企業では一定の実績を挙げた後は、
- 新たなポストにチャレンジする
- 身につけたスキルをさらに活かせる職場に移る
のどちらかになります。
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「終身雇用」があるとないとでは大きく違うんですね。
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さらに外資系企業では、目立った成果も挙げず、ただ安穏と過ごしている社員に対しては、「退職勧奨」といって、退職を促すことも日常茶飯事だと知っておいてください。
例えば、もしあなたが外資系に勤めていたとして、ボスに「パッケージ」と呼ばれる特別手当(ボーナスに毛が生えた程度の退職金)を提示されたら「おまえはクビだ」と言われているものだと考えましょう。
【外資系の実態④】日本市場から撤退することもある
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外資系企業の場合、業績悪化などの理由で日本市場からの撤退を本社が決めたら、日本支社がなくなることを意味します。
その場合は言うまでもなく社員は全員リストラされます。
▼「リストラ」に関する違い
日本企業の場合 |
外資系企業の場合 |
「早期退職制度」という名目で退職金が多めに支払われる場合が多い |
そもそも「退職金制度」がない |
現在は日本撤退した某外資系企業の勤務経験者の場合
私の場合は入社してから数ヶ月後に、「日本の市場で見込んでいた売上が達成できない」という事情で日本における事業撤退による解雇を通告されました。要するに「クビ」ですね。もちろん、退職金はなく、ほかの長年働いていた社員たちと一緒に泣き寝入りでした。
もちろん同じ外資系でも大手企業ほど、日本人の社員も多く、日本の慣習に合わせた雇用形態を採用している傾向にあるでしょう。しかし根本的な文化の違いがあることに変わりません。
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外資系といっても日本企業とあまり変わらないのでは、と思っていましたがずいぶん違うんですね。
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もしあなたが、安定した職場で働きたければ外資系はやめておいた方がよいと断言できます。
まとめ
- 安定した職場で働きたければ外資系はやめておいた方がよい。
- 「社員教育」という概念がない外資系では、日本企業の「新人研修」で得られる基礎的な知識を身につける機会が失われる。
- 実力主義のため成果が出せない社員は不要と判断される。しかし新卒は成果を生み出すスキルを持っていないため高いハードルとなる。
- 「終身雇用」がないため、「社内からの昇進」「定期昇給」という仕組みが一般的ではなく日常的に「退職勧奨」の可能性もある。
- 日本撤退の場合は否応なくリストラされる。
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