「初任給の平均」と「低すぎ・高すぎがダメ」な理由とは?
こんにちは!
今回のテーマは「初任給」です。給与欄に書かれている金額について、どんな点に気をつけるべきかをご紹介します。
【目次】
- 初任給をチェック!低すぎる給料がダメな理由とは?
- 「額面」=「手取り」ではない!月の生活費16万円に必要な額面は?
- 大卒の初任給平均は21万円!
- 給与欄の確認ポイント:「固定残業代ってなに?」
- 「固定残業費込み」はこう計算しよう!
- 高すぎる給料もブラック企業の特徴か?
- 就活生にはハードルが高い!ブラック企業の見分け方
- まとめ
初任給をチェック!低すぎる給料がダメな理由とは?
「うちの仕事はやりがいを重視しています!」と会社説明会でアピールする会社は多いでしょう。しかし給料がとても低かったら、どうでしょう?
給料が高ければ、自然と「やりがい」は生まれてきます。
給料が低ければ、自然と「不満」が生まれてきます。
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どんなに自分に合っていそうな仕事でも、給料が低すぎれば、いつまでたっても「やりがい」なんて感じませんし、むしろ不満だけがどんどん募ってきます。
そうは言っても、大卒であればどんな会社に就職しても食うに困るようなことはまずないでしょう。しかし生活に多少のゆとりを感じるだけの給料が支払われるとは限りません。
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低すぎる給料はブラック企業の特徴の一つです。会社を選ぶ時には必要な支出を計算して、生活が苦しくなる可能性がある場合は必ず避けましょう。
【主な支出(ひとり暮らしの場合)】
「額面」=「手取り」ではない!月の生活費16万円に必要な額面は?
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月の主な支出が16万円だとしたら、初任給が「16万円」と書いてあれば生活できますよね?
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いいえ、就活サイトに書かれているのはあくまで「額面」です。
「額面」は実際に支給される金額ではありません。
書かれている「額面」から健康保険、厚生年金、雇用保険といった社会保険や、所得税、住民税などの税金が差し引かれますので、実際に支給される金額は「額面」の8割程度になります。その金額を「手取り」と言います。つまり「手取り」が16万円必要ならば、「額面」は約20万円必要ということです。
「額面」が20万円よりも低すぎる会社は避けましょう。
大卒の初任給平均は21万円!
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額面で20万円以上!ちょっと無理な気がします……。
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大卒の初任給の平均は、事務職・技術職ともに約21万円(※)となっています。
ですから、額面で20万円以上を求めることは、決して高望みとは言えませんので安心してください。
※日本経済団体連合会と東京経営者協会が調査した2020年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」による
給与欄の確認ポイント:「固定残業代ってなに?」
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「給与:21万円(40時間分の固定残業費込み)」と書かれた会社がありました。ここなら20万円を超えているので大丈夫ですよね!
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ちょっと待ってください。その「固定残業代」に注意です。
額面は「基本給」で判断しましょう。
その理由を説明する前に「給料の内訳」について理解しておきましょう。
【給料の内訳】
①基本給 |
毎月固定で支払われるもの。 |
②残業代 |
決められた勤務時間を超過して働いた分だけ支払われるもの。 |
③各種手当 |
資格や特殊技能を有している場合に支払われる「職能手当」、役職者に支払われる「役職手当」、優れた営業成績を収めたことで支払われる「インセンティブ」など、会社によって様々な手当がある。 |
【固定残業制】
▼採用していない会社の場合
ホームページに記載されている初任給は「基本給」と考えてよいでしょう。
▼採用している会社の場合
初任給として「基本給+固定残業費」が記載されているケースがほとんどです。
「固定残業費込み」はこう計算しよう!
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では具体的に「固定残業費込み」の場合に基本給がいくらになるか、ご紹介しましょう。
初任給「30万円」:大手インターネットサービス会社R社の場合
「30万円」の内訳は「基本給22.8万円」と「40時間の固定残業代7.2万円」でした。もちろん「基本給22.8万円」でも平均と比べれば高い方ですが、「破格」とまでは言えません。
初任給「34万円」:大手インターネット専門広告代理店S社の場合
給与欄には「34万円」とだけ書かれて内訳がなく、基本給のようにみえます。しかし、勤務時間の欄に「固定残業代制、固定残業代の相当時間は80時間」と記載がありました。
1時間あたりの残業代が1,600円として、80時間であれば固定残業費は12.8万円。すなわち基本給は21.2万円となり、世の中の平均とまったく変わりません。
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重要なのは「基本給」なので基本給が20万円よりも低すぎないかを確認することです。
理由は「残業代は水物」だからです。
もし数年後、「固定残業制」を採用していない部署へ異動になり、ほとんど残業がなければ「基本給」が低いと大幅に支給される給料が減ることになります。会社の経営状態によっては「みなし残業時間」が減らされることもあるかもしれません。そうなれば言うまでもなく支給される給料は減ります。以上のことからも分かる通り、残業代をあてにしてはいけません。
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入社してから後悔しないためにも、エントリーする前に待遇面をチェックする癖をつけておいて損はありません。
高すぎる給料もブラック企業の特徴か?
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他の会社より初任給がかなり高い会社を見つけました。給料は高い方がいいですよね!?
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いえ、そうとも限りません。
企業にとって、入社後3年間は教育期間。
1人の新卒者を採用・教育するコストとして3年間で数千万円投じています。
それなのに、初任給が他と比較して明らかに高いのは、何かおかしいと思いませんか?
初任給が高い理由は次の4つのうちのいずれかであると考えられます。
① 初任給の平均が高い業界・職種である(コンサルティングファームなど)
② エントリー数を稼ぐための戦略
③ 新入社員を「即戦力」として扱っている
④ 離職率が高く、初任給を高くしないと入社希望者が集まらない
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③と④に該当する場合は注意が必要です。
往々にして「ブラック企業」ほど、③と④を同時に満たしていることが多いからです。
就活生にはハードルが高い!ブラック企業の見分け方
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給料が高いのにブラック企業、なんてことがあるのですか?
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ここで「高い初任給」に魅力を感じて入社したTさんの体験をご紹介しましょう。
英会話学校業界の上場企業に入社したTさん
毎年数百人規模で新卒採用していて、初任給も他と比べて高いことから、入社を決めたTさん。しかし入社すると全体研修はわずか3日。入社4日目には営業の現場に放り出され「今日はいくら稼ぐ予定?」と、上司から強いプレッシャーをかけられます。入社1ヶ月目の>Tさんに課せられたノルマは月に数千万円でした。
もちろんそういった会社では3ヶ月もすれば多くの新入社員が辞めていくので、それを見越して大量の採用人数が必要となります。そのため同業他社のみならず、名の知れた大手企業を出し抜く必要があり、何らかの強烈なメリットを打ち出さねばなりません。そこで初任給を他よりも高額にせざるを得ない、というカラクリです。
当然そうでない場合もあるでしょう。とくに経営が安定していて、人材を大切にする会社では初任給が高い傾向にあります。
しかしビジネス社会のことを知らない学生に、その会社がブラック企業か否かを見極めることは非常に難しいと言わざるを得ません。そのため『初任給が高すぎる会社』は、はじめから避けておいた方が無難となります。
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初任給は低すぎても高すぎてもリスクがあります。業界の初任給の平均などを調べて、リスクの低い会社を選ぶようにしましょう。
まとめ
- 給与欄に書かれている金額は「額面」で「手取り」ではない
- 大卒の初任給平均は21万円
- 給与を高く見せる「固定残業費込み」は要注意
- 低すぎる給与はやりがいよりも先に不満を生む。初任給が20万円以上の会社を選ぶ方が無難
- ブラック企業の見分け方は難しいが、給与が他と比べて高すぎる会社はリスクも高い可能性があることを覚えておく
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